コラム

学校医と集団歯科検診

新年度が始まり、皆様も新しい生活に少し慣れ始めたころでしょうか。
さてこの度、平成27年度から新設された明石台小学校の歯科の校医を担当させていただくことになりました。
在校生・ご父兄の皆様、学校の先生方、なにとぞよろしくお願いいたします。

4～6月頃にかけて、学校などで集団歯科検診が行われると思います。
その検診なのですが、歯科診療室で行う場合は問題ないのですが、集団歯科検診の場合、実は誤診率がかなり高いのです。
私も大学在籍時代に幼稚園・保育園・小学校・自治体主催の検診に何度も行きましたが、「今日は○割くらい、自信を持って間違えているな」と思ったことが多々ありました。

では、なぜ誤診率がそんなに高いのでしょうか？
その理由は、設備不十分の一言に尽きます。
奥歯は照明不十分だと暗くて、よく見えません。
また、小児は唾液が成人の2～3倍くらい多く分泌されます。
口を開けたら、奥歯が唾液の中、しかも泡立っている唾液の下・・・ということもよくあります。
唾液を吸い取るバキュームや圧縮空気を使い、唾液を排除しないとさすがに正確な診査は、できません。
あまりに重症な場合は、そんな劣悪な条件でもさすがに間違えません。

集団歯科検診は参考程度とご理解ください。
指摘を受けた場合は、条件が整った歯科診療室でよく診査してもらう機会を得たとお考えください。

明石台小学校で行う検診、きっと誤診すると思っています・・・。