もうじき5歳になる我が娘・・・。
つい10日ほど前まで指しゃぶりがやめられずにいましたが、指に苦い薬を塗り、ようやく指しゃぶりから卒業できました!!
歯並びに悪影響をおよぼす癖のことを口腔悪習癖(こうくうあくしゅうへき)と言います。
具体的な悪習癖として、吸指癖、咬爪癖(こうそうへき)、咬唇癖、おしゃぶりの使用、歯ぎしり、頬杖、鼻呼吸ができず口をいつでも開けている、舌突出癖などがあります。
それらの習癖により上顎前突(いわゆる出っ歯の状態)、前歯部の開咬(奥歯は咬んでいるのに、前歯だけ咬めずに開いている状態)などの歯列不正がみられることがあります。
吸指癖の場合は上顎前突になります。
最初は上顎の前歯が唇側に傾いていき、出っ歯になります。
次の段階は、いつも指で上顎を前方に押すことにより、上顎の骨が変形し、前方に飛び出てきます。
最終段階は、さらに上顎の骨が変形し、正常ならば半円形に近い上顎の形がもっと前方へ出て、V字状に変形します。
さすがに最終段階のV字状にまで変形してしまうと、矯正専門医でも治療は困難です。
ちなみに私の娘は、第2段階の上顎の骨が変形した状態です。
指しゃぶりは、赤ちゃんであれば誰でもするものです。
3歳ごろまでに止められれば理想的なのですが、遅くとも4歳まで止めれば、歯並びにあまり問題は出ないと言われています。
前歯部は、舌が前方に飛び出そうとする力と、口唇が口の内部の方向に入ろうとする力が押し合いをし、ちょうど力の釣り合いが取れた場所に並びます。
舌が飛び出る力に加えて、しゃぶっている指でさらに前に押すので、口唇が内部へ押す力より、当然強いわけですから、上顎前突になります。
指しゃぶりをやめれば、前に飛び出した前歯や上顎は、口唇が内部へ押す力をしっかり受けとめることになり、次第に正しい位置・形に戻ってきます。
ですので、口腔習癖が原因の歯列不正は、まず悪習癖を止める事が矯正治療の大前提となります。
では「どうすれば悪習癖は止められるの?」ということですが、教科書を見ると、患者によく言って聞かせて我慢させる、指に苦いあるいは辛い薬を塗る、金属性の指サックをかぶせる(歯医者が作ります)などと書いてあります。
娘に「年中さんになったら指しゃぶりを止めようね」と何度も言って聞かせ、娘も「わかった!」とは返事をしましたが、すぐ直後にニヤニヤしながら指を吸う・・・・。
そんなことを何度も繰り返し、説得は諦めました。
となると、強行策で止めされるしかありません。
歯科材料店のカタログを見ていたら、発見しました!
指に塗る苦い味がするマニュキア!!!
スイスのマヴァラ社製の「バイターストップ」
amazonで検索すると、¥1500程度で購入できます。
かなり苦い味がするらしく、販売先のHPには、ギネスブックに載るほど辛い成分を使用しているとの記載がありました。
4月にバイスターストップを購入。
さて、いよいよ娘の指に塗ろうかとしましたが、少々躊躇しました。
理由は2つありました。
1つ目は、あまりの苦さにうがいをしたくなることを考えると、幼稚園がある日は避けた方がよい・・・。
したがって実行するなら土日に限る・・・。
2つ目は、教科書には指しゃぶり行為は、吸啜本能の抑制の代償、精神的緊張の解消、心理的欲求不満の代償、親の愛情不足・・・などが原因と書いてあります。
それなりに娘をかまったつもりではありますが、強制的に指しゃぶりを止めさせると、指しゃぶりの代償として他の悪習癖が起こらないか?という不安がどうしてもつきまといました・・・。
とはいえ、親が小児歯科の専門医指導医でありなが、みすみす歯列不正にさせるわけにもいかず、4月中旬の週末、実行しようとしましたが、娘の強烈な抵抗にあい、あえなく断念。
さすがに「夏休みの初日には絶対に爪に薬を塗る!!」と娘に宣言し、一学期の間、何度も指しゃぶりを止めるように説得しましたが、やはりダメでした。
いよいよ、夏休み初日に、抵抗する娘を抑えて、爪にバイターストップを塗布。
初日は指しゃぶりができず、相当イライラしていたと妻から報告がありました。
2日目は、指しゃぶりは止め、機嫌もそれなりに良く、3日目も念のため、塗りましたが、本人曰く「もう指しゃぶりはしなくて平気!」とのこと。
4日目以降は全く塗らず、指しゃぶりの再発もなく、他の悪習癖への移行もありませんでした。
初日だけ禁断症状が出ただけで、あとは拍子抜けするくらい順調でした。
こんなことなら、春先に塗っておけばよかったと思いました。
娘が塗布中に、私も自分の親指に塗って、試してみました。
確かに苦い味ですが、大人の味覚では、うがいすることなく我慢できる程度の苦味。
口から火を噴いたり、冷や汗が出るほどの味を想像していましたが、大丈夫でした。
説明書には、「1回塗布すると2日ほど苦味は継続」と書いてありましたが、水仕事を1時間程度するとやっぱり味は薄まりました。
娘はそれに気づいたのか、日ごろあまり洗わない手をやたらと長時間洗っていました(知恵がついたのぅ・・・)。
確実に止めされるには、期間中は毎日1回塗布が良いかと思われました。
親として夏休みの最大の課題は、娘の指しゃぶりを卒業させることでした。
夏休みも序盤は終わり、これから中盤。
親子最大の夏休みミッションは、無事任務完了できました!
お子さんの指しゃぶり・爪咬みでお悩みの親御さん、この手法で頑張ってみてはいかがでしょうか?
なお、この報告書は読んでか10秒以内に自動的に消滅する・・・(そんなことありません)。
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